研究課題
前の研究は、アルコール(EtOH)曝露がラット脳でコリンアセチルトランスフェラーゼ(ChAT)を減少させることを示しました。現在の研究は、ネズミの前頭葉と海馬でChATとアセチルコリンエステラーゼ(AChE)の上でニコチン、EtOH、およびそれらの組み合わせの効果を調べることによって、その調査結果を広げます。サンプルは食塩水(コントロール)、ニコチン、EtOHの腹腔内投与の30分後と120分後に集められ、RT-PCRとWestern blot法によって分析されました。RT-PCR分析は、EtOH単独投与はChAT mRNA発現をかなり抑えたことを明らかにした反面、ニコチン単独投与はコントロールと比べ、前頭葉と海馬で30分後と120分後の両方でAChE mRNA発現を抑制しました。ニコチン単独投与時のAChE表現の海馬縮小は前頭葉より比較的大きかったです。他方では、ニコチンとEtOHの併用投与時は研究された脳の領域のいずれでもこれらの2つのマーカーへの少し目立った効果もみられませんでした。ChATとAChE mRNAsのレベルについてEtOH単独投与とニコチン単独投与のグループで30分後と120分後の間には統計的な有意差は認められませんでした。これらの調査結果はWestern blot法とAChE活動分析と一致しています。したがって、結果は、ニコチン単独投与とEtOH単独投与だけがラット脳でコリン作用の機能を変更できることを示します。しかしながら、併用投与は、ニコチンとEtOHが単独に投与された時の効果を相殺してしまうようです。さらに、ニコチンが誘発したAChE減少は、認知欠落の改善に関する治療効果をもたらしえます。
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