研究課題/領域番号 |
18590638
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
恒成 茂行 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (80040202)
|
研究分担者 |
米満 孝聖 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 准教授 (10128332)
美作 宗太郎 弘前大学, 医学部, 助教 (50284998)
大津 由紀 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 技術専門職員 (90404342)
是枝 亜子 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (80284751)
大島 徹 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (70464427)
|
キーワード | 子どもの虐待 / 情報共有 / データベース / ネットワークシステム構築 / リスクアセスメント / 被虐待児の損傷検査 / 臨床法医学 |
研究概要 |
1.子どもの虐待情報データベースシステムの開発 虐待の情報共有するツールとして昨年度作成した「熊本市子どもの虐待情報データベース(KUCAN-DB)」を将来的に熊本市のネットワークシステム上で運用させるため、試験的に当法医学分野において小規模なネットワークシステムを構築した。その試験運用の際に、複数同時アクセス制限や自動バックアッププログラム等の問題点が判明し、適宜改良を行った。今後はさらに本格導入した際に生じ得る問題点をシミュレーションしながら改良を続ける必要がある。 2.データベースを用いた子どもの虐待リスクアセスメントの改良と応用 昨年度と同様、熊本大学大学院医学薬学研究部法医学分野ホームページ(http://www.medic.kumamoto-u.ac.jp/dept/forensic/forensic.html)に虐待リスクアセスメント票(PDF版)等を掲載して、自由にダウンロードできるようにしたところ、自他県の保健師等の関係者から問い合わせや改良のための意見が寄せられた。現在も改良中であるが、今後は実際の症例について使用して、さらに電子情報データベース版へ改変するためのデータ収集を行う必要がある。 3.被虐待児の損傷検査における臨床法医学的診断方法の検討 〜身体的虐待における受傷時期の推定〜 健常小児が日常生活において受傷した打撲傷について、分光測色計を用いて経時的にデータをとったところ、受傷後経過時間と測色値の変化に一定のパターンがあることが判明した。このパターンは将来的に受傷時期の推定に役立つものと期待されるが、このパターンに大きく影響を与える因子として、打撲傷の基礎となる皮下出血の状態、特に皮膚表面から皮下出血までの深さと皮下出血自体の厚みがあることも判明した。今後は分光測色計を用いた測色値の変化とこれらの因子との関連性について検討する必要がある。
|