研究課題/領域番号 |
18590655
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
河合 啓介 九州大学, 大学病院, 講師 (80325521)
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研究分担者 |
久保 千春 九州大学, 大学医学研究院, 教授 (80117100)
山田 祐 九州大学, 大学病院, 医員 (90423590)
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キーワード | 神経性食欲不振症 / 食事量 / グレリン / レプチン / 心理テスト |
研究概要 |
<目的>神経性食欲不振症患者(AN)のBMI(body mass index)と一日の総食事量を規定する身体的因子・心理的因子を検討する。 <方法>入院AN患者24例(制限型12例、むちゃ食い排出型12例:BMI13.8±1.6kg/m^2)について、入院時BMI値と入院直後の食事を自由摂取している時期の1日の食事総摂取量(kcal)を調査。これらのスコアと末梢血の摂食調節に関連する因子<acylated ghrelin(ELISA)・desacyl ghrelin(ELISA)・leptin・glucose・insulin>,血清cortisol、心理因子(SDS、STAI、EDI)、罹病期間、及び空腹感・満腹感の自覚症状(VAS)の関連について検討した。統計は、単相関後に重回帰分析を施行した。全例とも入院後、過食・嘔吐は停止していた。 <結果と考察>入院時BMIと入院直後の食事量に相関は認められなかった。入院前の食生活を反映すると考えられる入院時BMIは、食欲促進の活性が認められていないdesacyl ghrelin(β=-0.62 p=0.001)とEDIの成熟拒否(β=-0.411 p=0.016)のみに統計学的に関連があった。入院後の摂取カロリーは、食欲促進作用のあるacylated ghrelin(β=0.49 p=0.01)とEDIのやせ願望に関連(β=-0.45 p=0.017)があった。 <結論>AN患者ではacylated ghrelin・desacyl ghrelinの食事量への影響は、治療環境や心理的因子によって異なる。EDIにおける成熟拒否はANのBMIに影響を与え、やせ願望は入院ANの体重増加のための治療の重要なターゲット因子になる可能性がある。
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