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2008 年度 実績報告書

進行癌症例に対する新治療戦略の確立-IVR・化学療法併用治療の評価

研究課題

研究課題/領域番号 18590670
研究機関東京大学

研究代表者

椎名 秀一朗  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70251238)

研究分担者 加藤 直也  東京大学, 医学部・附属病院, 助教 (90313220)
キーワード進行癌 / IVR / 化学療法 / 大腸癌 / 胃癌 / 肝転移
研究概要

08年は86例の転移性肝癌に経皮的ラジオ波焼灼術(RFA)を施行した。当科は特に大腸癌肝転移に力を入れてRFA中心の集学的治療を行なってきた。その適応は、根治目標群は、切除不能または切除希望せず、5cm5個以内、肝外病変なし、主要脈管に広範に接しない、とした。腫瘍減量群は、主病変が肝臓に存在し化学療法未施行または有効例とした。08年8月までに122例にRFAを実施した。年齢64.8±11.4歳(81歳以上11例)、男性75例、径3.3±1.3cm、病変数4.1±5.0個だった。94例(77%)で前治療(全身化療63例、肝切除35例、動注21例、他院RFA6例、TAE2例、VATSI例、子宮両側付属器切除1例、〔重複あり〕)があった。64例は切除困難で、理由は切除不能肝外病変36例(肺28例[切除可能2例は含まず]、腹膜播種10例、リンパ節11例、原発巣再発7例、骨2例、脾臓2例、卵巣1例、副腎1例、腹壁浸潤1例、[重複あり])、心肺疾患合併7例、多発肝転移22例、肝切除後多発再発3例、断端再発3例〔重複あり]だった。術前検査は胸部〜骨盤部CTとUSだけでPET等は行なっていない。治療後は3ヶ月毎に胸部〜骨盤部CTと腫瘍マーカーを検査した。FOLFOX、FOLFIRI導入後は術後全身化療を原則としたが、患者希望等により無治療、S-1内服になる例もあった。122例の生存率は1,3,5,7年92%,60%,37%,30%で、5年生存11例、7年生存5例だった。根治目標群58例では1,3,5,7年96%,81%,62%,51%だった。従来、肝転移では切除以外には長期生存が得られないとされ、第一選択は切除とされてきた。しかし、RFA中心の集学的治療では、切除不能例が多く含まれるにもかかわらず、生存率は良好であり長期生存例も少なくない。再発を早期発見し低侵襲治療を繰返すというストラテジーは転移性肝癌でも有効と思われる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 誌上ディベ-ト転移性肝癌ラジオ波焼灼術を推進する立場から2008

    • 著者名/発表者名
      椎名秀一朗
    • 雑誌名

      Frontiers in Gastroentefology 13

      ページ: 18-25

  • [雑誌論文] 進行癌症例に対する新治療戦略の確立-IVR・化学療法併用治療の評価2008

    • 著者名/発表者名
      椎名秀一朗
    • 雑誌名

      がん治療のあゆみ 23-31

      ページ: 23-31

  • [学会発表] ワークショップ1進行消化器癌の集学的治療(肝癌を除く)進行消年器癌に対する経皮的ラジオ波焼灼術(RFA)を中心とした集学的治療の成績2008

    • 著者名/発表者名
      椎名秀一朗,東郷剛一,小俣政男
    • 学会等名
      第94回日本消化器病学会総会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2008-05-09

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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