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2009 年度 実績報告書

進行癌症例に対する新治療戦略の確立-IVR・化学療法併用治療の評価

研究課題

研究課題/領域番号 18590670
研究機関東京大学

研究代表者

椎名 秀一朗  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70251238)

キーワード進行癌 / IVR / 化学療法 / 大腸癌 / 肝転移
研究概要

09年は96例の転移性肝癌に経皮的ラジオ波焼灼術(RFA)を施行した。RFA中心の集学的治療の主な対象である大腸癌肝転移について述べると、適応は、根治目標群は、切除不能または切除希望せず、5cm5個以内、肝外病変なし、主要脈管に広範に接しないこと、腫瘍減量群は、主病変が肝臓に存在し化学療法未施行または有効例とした。RFAを実施した大腸癌肝転移135名は、結腸癌90名、直腸癌45名、年齢64.8±11.1歳で81歳以上12名、男性85名(63%)、病変径3.2±1.3cm、病変数4.1±4.8個だった。107名(79.3%)で前治療(全身化療77名、肝切除38名、動注化療22名、他院RFA 4名、肝動脈塞栓術2名、肺切除2名、放射線治療2名[重粒子線1名]、原発巣局所再発に子宮両側付属器切除1名)(重複あり)あり。46名(34.1%)で肝外病変(肺転移29名[3名は切除可能]、リンパ節転移13名、腹膜播種10名、原発巣再発7名、骨転移2名、脾臓転移1名、卵巣転移1名、副腎転移1名)([重複あり)あり。他に心肺疾患等合併7名、切除不能多発肝転移20名、肝切除後多発再発4名、肝切除後断端再発3名等あり。このため、施行理由としては手術適応なしが82名(60.7%)、本人希望が53名だった。治療後は3ヶ月毎に胸部~骨盤部CTと腫瘍マーカーを検査した。135名全例のRFA後生存率は1年91%、3年64%、5年36%、7年27%、9年22%で、5年生存12名、7年6名、9年2名。なお、今年3月にはRFAを実施した大腸癌肝転移患者が10年生存し93歳になった。従来、肝転移では切除以外には長期生存が得られないとされ、第一選択は切除とされてきた。しかし、RFA中心の集学的治療は、進行例が多いにもかかわらず、生存率は良好、長期生存例も多い。再発を早期発見し低侵襲治療を繰返すストラテジーは転移性肝癌でも有効である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] ラジオ波焼灼術(RFA):低侵襲治療の現状と今後の展開2009

    • 著者名/発表者名
      椎名秀一朗
    • 雑誌名

      医学のあゆみ 231

      ページ: 187-188

  • [雑誌論文] 転移性肝腫瘍に対するラジオ波焼灼術(RFA)2009

    • 著者名/発表者名
      椎名秀一朗, 他
    • 雑誌名

      臨床外科 64

      ページ: 1507-1514

  • [雑誌論文] 大腸癌肝転移に対するラジオ波焼灼術(RFA)の国内外の現況と治療成績2009

    • 著者名/発表者名
      椎名秀一朗
    • 雑誌名

      医学のあゆみ 231

      ページ: 197-204

  • [学会発表] 大腸癌肝転移に対するラジオ波焼灼術(RFA)を中心とした集学的治療2009

    • 著者名/発表者名
      椎名秀一朗
    • 学会等名
      第51回日本消化器病学会大会
    • 発表場所
      国立京都国際会館
    • 年月日
      2009-10-16
  • [図書] 動画で学ぶ肝癌ラジオ波焼灼療法の実際2009

    • 著者名/発表者名
      椎名秀一朗
    • 総ページ数
      35
    • 出版者
      医学書院

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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