研究課題
基盤研究(C)
共焦点内祝鏡画像を、正常の胃底腺粘膜および幽門腺粘膜と比較して観察し、共焦点内祝鏡画像と同-方向で切り出し病理組織像にて確認し、HE染色とCD34染色で比較検討した。それぞれ、腺開口部を取り囲むように花弁状に配列する腺高細胞と畝状に配列する腺高細胞を確認して、腺管を取り囲むように存在し、周囲より強く染影される部位は、間質内に存在する微小血管であることを確認することができた。分化型胃癌の共焦点画像では不整な腺管構造が、未分化型胃癌では腺管構造は認めず無構造となっており、組織像とよく一致していた。二人の病理医によってfair以上の画像診断したところ、胃癌診断における共焦点内祝鏡検査の感度、特異度、正診率はそれぞれ、81.8%、97.6%、94.2%(病理医A)、90.9%、97.6%、96.2%(病理医B)であり、臨床的にリアルタイムで組織診断できることを確認した。周囲の微細血管は癌において腺管の乱れとともに、癌に伴う新生血管で配列の乱れと広狭不整が観察された。癌性血管の出現の時期や形態についてはさらに検討する予定である。胃癌の共焦点内祝鏡像はパレット上皮やパレット腺癌に類似していることも確認した。水平方向で切り出された切片をさらにMUC2、MUC6、MUC5AC、ConAIIIなどの免疫染色を行い、正常粘膜と癌において分泌および吸収の性質を比較して、共焦点内祝鏡画像にて判別可能かどうかを検討している。また工学部と共同で共焦点内視鏡画像の3次元構築の可能性を検討している。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (1件)
Endoscopy 38
ページ: 1110-1114