研究課題
基盤研究(C)
炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease:以下IBD)は、わが国において増加の一途をたどっているものの、いまだにその原因は明らかとなっていない。しかしながら、自己腸内細菌がIBDの発症に深く関与していることが報告されている。これらの事実から、申請者らはIBD患者において、腸管内フローラに対する抗原提示細胞による免疫監視機構の異常がその病態に中心的な役割をはたすと考えてきた。近年、抗原提示細胞に特異的に発現するCXCL16という分子が報告された。CXCL16はそのドメインを介して、グラム陽性および陰性菌の貪食に関与している。そこで、本研究の目的は自己腸管内フローラに対する腸管内抗原提示細胞におけるCXCL16の発現が炎症性腸疾患の病態にいかに関与するかを検討し、この制御を応用したIBDの新規治療開発を試みた。その結果、腸炎マウスの抗原提示細胞ではCXCL16の発現が増強しており、この抗体を投与することにより腸炎の発症が軽減されることが証明された。さらに、CXCL16ノックアウトマウスを作成し、デキストラン硫酸投与による腸炎を誘導したところ、野生型マウスに比べて優位にその発症が抑制された。また我々は抗CXCL16抗体を作成し、実験腸炎モデルに投与した結果、腸炎改善効果が認められた。これらのことから、CXCL16は炎症性腸疾患の治療標的となる分子であることが示唆された。
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