研究課題/領域番号 |
18590686
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
矢田 親一朗 九州大学, 大学病院, 助教 (00346800)
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研究分担者 |
松本 主之 九州大学, 大学病院, 助教 (10278955)
江崎 幹宏 九州大学, 大学病院, 助教 (50335957)
飯田 三雄 九州大学, 医学研究院, 教授 (00127961)
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キーワード | 潰瘍性大腸炎 / クローン病 / 接着因子 / プレドニゾロン / 顆粒球・単球除去療法 / 中心静脈栄養療法 / MFI / infliximab |
研究概要 |
【目的】炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)の各種治療群のケモカイン・接着因子の推移にての検討を行った。 【対象】活動期潰瘍性大腸炎(UC)33例、および活動期クローン病(CD)36例を対象とした。治療前と4週後に末梢血リンパ球LFA-1のmean fluorescence intensity(MFI)を測定した。UCはプレドニゾロン単独(PSL)群(n=16)とプレドニゾロン・顆粒球・単球除去療法併用(GCAP)群(n=17)の2群で、CDはPSL群(n=6)、中心静脈栄養療法(TPN)群(n=19)およびinfliximab(IFX)投与群(n=11)の3群で棟討した。 【結果】(1)UCでは治療前のLFA-1のMFIはPSL群(1476±381)とGCAP群(1685±407)で差はなく、各群で治療後に有意に低下した(PSL群:1066±387、p<0.05;GCAP群:1461±344、p<0.05)。(2)CDでは治療前のMFIはPSL群(1579±496)、IFX群(1983±720)とTPN群(1685±479)で差はなかった。TPN群では治療後のMFIは不変であった(1902±561、p=0.12)が、PSL群(1197±535、p<0.05)およびIFX群(1489±513、p<0.05)では有意に低下した。CCR5、CXCR3について各疾患群、各治療群において変化は認めなかった。 【結語】PSL、GCAPおよびIFXの作用機序の一部としてLFA-1抑制作用が考えられる。一方、TPNはLFA-1発現へ影響を与えなかったことから作用機序が異なる可能性が示唆された。
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