研究概要 |
【対象】活動期潰瘍性大腸炎(UC)33例、および活動期クローン病(CD)36例を対象とした.治療前と4週後に末梢血リンパ球LFA-1のmean fluorescence intensity(MFI)を測定した.UCはプレドニゾロン単独(PSL)群(n=16)とプレドニゾロン・顆粒球・単球除去療法併用(GCAP)群(n=17)の2群で、CDはPSL群(n=6)、中心静脈栄養療法(TPN)群(n=19)およびinfliximab(IFX)投与群(n=11)の3群で検討した. 【結果】(1)UCでは治療前のLFA-1のMFIはPSL群(1476±381)とGCAP群(1685±407)で差はなく、各群で治療後に有意に低下した(PSL群:1066±387,p<0.05;GCAP群:1461±344,p<0.05).(2)CDでは治療前のMFIはPSL群(1579±496)、IFX群(1983±720)とTPN群(1685±479)で差はなかった.TPN群では治療後のMFIは不変であった(1902±561,p=0.12)が、PSL群(1197±535,p<0.05)およびIFX群(1489±513,p<0.05)では有意に低下した. 【結語】PSL、GCAPおよびIFXの作用機序の一部としてLFA-1抑制作用が考えられる.一方、TPNはLFA-1発現へ影響を与えなかったことから作用機序が異なる可能性が示唆された.
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