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2007 年度 実績報告書

抗CD30抗体を用いた新規炎症腸疾患治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18590689
研究機関九州大学

研究代表者

牟田 浩実  九州大学, 医学研究院, 特別教員 (40325478)

研究分担者 谷 憲三朗  九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (00183864)
栗田 良  九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (90380526)
キーワードCD30 / 抗体治療 / 炎症性腸疾患 / 腸炎モデルマウス / ノックアウトマウス
研究概要

ヒト炎症性腸疾患におけるCD30シグナルの関与の検討 (1)血清中の可溶性CD30測定・炎症性腸疾患患者の血清を採取し、ELISA法により可溶性CD30濃度を測定した。健常人12症例、潰瘍性大腸炎患者25症例、クローン病患者17症例の血清中の可溶性CD30濃度を測定したところ、潰瘍性大腸炎患者、クローン病患者いずれにおいても、健常人と比較して有意に可溶性CD30濃度が上昇していた。・可溶性CD30濃度と潰瘍性大腸炎患者、クローン病患者の疾患活動性とを対比し、相関を検討した。潰瘍性大腸炎患者9症例、クローン病患者5症例について治療前後の可溶性CD30濃度を測定したところ、ほぼすべての症例において治療後に低下を認めた(疾患活動性スコアはいずれの症例でも低下していた。)。また、疾患活動性スコアと可溶性CD30濃度の比較検討では、潰瘍性大腸炎、クローン病いずれにおいても可溶性CD30濃度と疾患活動性スコアの正の相関を認めた。 (2)免疫組織染色・炎症性腸疾患患者の生検標本のCD30免疫組織染色を施行した。潰瘍性大腸炎患者、クローン病患者いずれにおいても粘膜上皮にCD30陽性細胞が認められた。 意義;可溶性CD30はCD30陽性細胞から産生される可能性が高いと考えられている。したがって、上記の結果は、CD30陽性細胞の増加が、潰瘍性大腸炎ならびにクローン病の疾患活動性と強く相関していることを示唆している。このことは抗CD30抗体等のCD30の機能を抑制する薬剤が、潰瘍性大腸炎ならびにクローン病の治療薬となり得る可能性を示している。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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