研究課題/領域番号 |
18590696
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
藤原 靖弘 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (40285292)
|
研究分担者 |
渡辺 俊雄 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (50336773)
富永 和作 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (80336768)
|
キーワード | 癌 / 細胞・組織 / 発現制御 / 発生・分化 / 生理活性 |
研究概要 |
バレット食道がTh2優位であることに着目してBrown-Norway (BN)ラットを用いた。食道胃接合部を切断し、空腸と食道吻合を行った。術後30週で屠殺したところ、約70%のラットにバレット食道形成が確認され、腺癌も数病変認められた。一方、このBNラットを用いた実験系で、胃食道逆流症と強い関連のある喘息がTh2優位な疾患であることから、GERDと喘息(BA)の相互関連を検討したところ、RE+BA群ではBA群に比較して、気管支肺洗浄液中の浸潤炎症細胞数、特に好酸球やTh2系サイトカインであるIL-13濃度増加などOVA惹起性気道炎症を増悪させた。一方、食道もRE単独に比較してRE+BA群では粘膜層における好酸球浸潤増加を認め、また食道粘膜内のTh2系サイトカインやRANTESなど好酸球浸潤に関わるサイトカインmRNA発現増加が確認された。この成果は、臨床的に関連が示唆される2つの疾患の病態を動物モデルを用いて初めて証明したものであり、両疾患が高頻度に合併することから、創薬分野でも有意義なモデルといえる。また。国内外の学会でも高い評価を受けた。 培養細胞実験については、Het-1A細胞において、腸上皮活性マーカーであるCdX-2の発現は認めなかった。Het-1A細胞に様々な濃度・種類の胆汁及び酸を経時的に曝露させ、細胞生存率、CdXの発現を検討したところ、混合胆汁酸400mMの10分間、1日2回、48時間刺激では細胞生存率に影響を与えずに、CdX-2の誘導が惹起された。
|