研究課題
基盤研究(C)
(1)BALB/cマウスに感染性を有するピロリ菌シドニー株(SS-1株)より抽出精製した菌体成分ウレアーゼのpurityをWestern blot法で確認した。また、精製ウレアーゼの含有量をタンパク量を指標として測定し、同時にその酵素活性が失活していないことを確認した。(2)次に、無免疫BALB/cマウスより胸腺細胞を採取しピ.ロリ菌ウレアーゼによる増殖反応を追跡したところ全く応答が観察されなかったことを確認後、様々なリンパ臓器を採取しピロリ菌ウレアーゼの添加実験を行ったところ、B220陽性のBリンパ球の増殖反応が認められた。そこで、B220陽性細胞を分離採取し精製ピロリ菌ウレアーゼを添加したところ、T細胞を完全に除去した場合にも増殖反応が認められたため、増殖反応の標的が従来のB-2細胞ではなく、自然免疫系に属するT-independentなB-1細胞であることを見出した。この際、LPSの特異的lnhibitorであるPolymyxin Bを培養系に加えることで増殖反応は抑制されなかったため、この増殖反応はLPSの混入によるものではないことを確認した。以上より、SS-1株より抽出精製した菌体成分ウレアーゼには、BALB/cマウスのB-1細胞に対する選択的な刺激活性化能があることが判明した。(3)そこで、B-1細胞の表面マーカーであるCD5指標としてマウス脾臓由来B細胞をB-1細胞とB-2細胞とに分け比較検討したところ、CD5陽性のB-1細胞に対する選択的な活性化能が菌体成分ウレアーゼに存在することを確認した。以上の成果をInfect.Immunol.74,248-256,2006に発表した。これらの事実を下に、次年度は実際にヒトCD5陽性B-1細胞のピロリ菌ウレアーゼに対する応答性、ならびに自己抗体産生能をマウスのみならずヒトの細胞を用いても追跡する予定である。
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