我々は、肝細胞癌の細胞株から抽出したゲノムDNAや、肝細胞癌および非癌部肝組織をレーザーマイクロダイセクションにより切り出し、抽出したゲノムDNAについて、100kまたは500k chipを用いて共通の遺伝子増幅および欠失領域やLOHの有無を解析してきた。肝細胞癌において染色体8q22.3領域が高頻度に遺伝子増幅をおこし、その染色体領域にコードされるGRHL2遺伝子増幅が、肝細胞癌の早期再発に相関していることを見出した。RNAiにより肝癌培養細胞の内在性GRHL2をknock downすると細胞増殖が抑制されることからも、GRHL2の増幅は、肝細胞癌再発の予測因子となる可能性が示唆された。
|