研究課題/領域番号 |
18590724
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
朝比奈 靖浩 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 医学研究員 (00422692)
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研究分担者 |
泉 並木 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 医学研究員 (20397300)
榎本 信幸 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (20251530)
黒崎 雅之 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 医学研究員 (10280976)
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キーワード | C型慢性肝炎 / インターフェロン / リバビリン / 自然免疫 |
研究概要 |
1.1992年から2003年までインターフェロン療法を行ったC型慢性肝炎症例1241例を対象とし、インターフェロン療法著効を目的変数とするデータ・マイニング解析を行った結果、ゲノタイプ、ウイルス量、ISDR変異数、年齢、性別、AFP値、アルブミン値、AST値、ヘマトクリット値、血小板数、コレステロール値、血糖値が説明変数として同定された。今回データ・マイニング解析により個々の患者における治療効果予測が可能になり、その対策が個別に可能となると考えられた。 2.しかし、PEG-IFN/ribavirin(RBV)併用療法の約20%は依然治療中HCVが減衰しない不応例(NVR)であり、この機序は不明で治療前予測も困難である。HCV排除には自然免疫が重要であることから、今回さらに自然免疫系と治療効果との関連について臨床検体を用いて検討した。PEG-IFN/RBV併用療法を施行した1b高ウイルス量のC型慢性肝炎を対象とし、治療直前の生検肝組織における自然免疫系分子のmRNA発現をRTD-PCR法により定量したところ、C型慢性肝炎におけるRIG-I、MDA5、LGP-2、ISG1-5およびUSP18などの自然免疫系分子の肝内発現量は、非HCV肝疾患に比し2-8倍高値であった。これらの遺伝子発現は、NVR群でSVR群に比し有意に1.5-4倍高発現していたが、IPS-1とRNF125はNVR群で有意に低発現で、特にRIG-I/IPS-1比またはRNF125比はNVRと関連を認めた(NVR: SVR=1.3:0.4、2.3:0.8)。従って、RIG-I/IPS-1系を中心とする自然免疫に係る遺伝子発現はHCV抵抗性と密接に関与しており、これらの解析は治療効果予測に有用と考えられた。
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