研究課題
基盤研究(C)
[目的]慢性膵炎は、アルコールの多飲などによって起こる膵の進行性炎症性疾患である。近年、欧米の慢性膵炎患者では膵導管細胞に発現するイオンチャネルであるCFTRチャネル遺伝子の変異は慢性膵炎の発症のリスクファクターの一つであると考えられている。本研究では、慢性膵炎発症におけるイオンチャネル及び水チャネルの役割の解析を目的とした。[方法]1.CFTR遺伝子変異の解析は、患者の白血球より採取したDNAよりCFTR遺伝子を増幅、塩基配列を解析した。2.モルモットのCFTR遺伝子の同定には、小腸よりDNAを採取しPCR法にて増幅し塩基配列を解析した。小葉間膵管は、実体顕微鏡下に単離し一晩培養した。CFTR遺伝子特異的発現抑制法としてRNAi法を用いた。[結果]1.日本人慢性膵炎患者のCFTR遺伝子の塩基配列解析を行ったところ、新しい変異であるL1156Fを同定した。本変異を野生型ヒトCFTR遺伝子に導入して機能解析を行ったところ、L1156Fでは重炭酸イオン輸送機能が障害されていた。2.モルモットCFTRは1481アミノ酸残基より構成されていた。RNAiでCFTR遺伝子発現量を抑制した群では、Scrambled RNAを使用したコントロール群に比べ、管腔への水分泌量が野生型の半分程度にまで減少しており、RNAi法による不十分な遺伝子発現抑制法でも膵導管細胞機能が抑制されることを明らかにした。[結論]日本人慢性膵炎で新たなCFTR遺伝子変異では、機能が障害されていることが明らかとなった。更にCFTR遺伝子の発現量が減少すると膵導管細胞の水分泌機能が低下する事を証明した。
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