研究課題
細胞培養・臨床検体におけるRNA編集の検出システムの確立:RNA編集を検出する際にもっとも確実な手法はRT-PCRを用いた核酸配列のシークエンス法であるが、多数の検体をスクリーニングする際にはコスト・時間・技術の煩雑さなどがネックとなる。そこでSingle Nucleotide Polymorphism(SNP)研究に利用されている多塩基プライマー伸長法を応用して、多数の細胞培養・臨床検体を対象としたRNA編集のスクリーニングシステムを確立した。PROX1で同定したアデノシンからグアノシンへの変異が起きている領域に、RNA編集を来した場合のみ伸長反応が可能になるように設計した検出プライマーとターミネーターddNTPを組み合わせ、ビオチン標識されたdNTPからの発色によってRNA編集の存在を識別する。このシステム確立により、多検体から目的のRNA編集を起こしているサンプルの抽出が効率的に行えるようになった。Clinical Research分野においても、RNA編集が及ぼす影響を患者の予後や腫瘍の進展形式等の観点から網羅的・系統的に解析可能になり、大きな進歩をもたらす事が期待できる。PROX1の機能解析:Yeast two hybrid systemを用いてPROX1と相互作用するタンパク質をスクリーニングした。PROX1タンパク質をGAL4 DNA結合ドメインの下流に融合させたプラズミドを作製し、GAL4転写活性化ドメインの下流に融合されたHuman Pancreasライブラリープラズミドとともに酵母に導入し、レポーター遺伝子(HIS3,LacZ)の活性化でスクリーニングを行った。陽性候補酵母より回収し、大腸菌にて増やした200のライブラリー由来のプラズミドを、現在シークエンス中である。
すべて 2007
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)
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