研究課題/領域番号 |
18590741
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
田中 靖人 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (90336694)
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研究分担者 |
近藤 豊 愛知県がんセンター, 分子腫瘍学部門, 室長 (00419897)
吉澤 浩司 広島大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (30109954)
溝上 雅史 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40166038)
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キーワード | B型肝炎ウイルス / HBV遺伝子型 / コアプロモーター変異 / 肝細胞癌 / HBV複製 / キメラマウス |
研究概要 |
1.多施設共同臨床研究 a)B型肝炎ウイルス(HBV)の遺伝子型やその特異的変異が肝病態進展、特に肝細胞癌や劇症肝炎に寄与していることを示した。 b)セロコンバージョン前後のHBV変異が肝病態進展に与える影響:我々は臨床病態とウイルス変異の関係をより明らかにするために、セロコンバージョン後に肝細胞癌(HCC)を発症した8例と無症候性キャリア(IC)8例に関して、セロコンバージョン前後でのHBV全塩基配列を比較した。セロコンバージョン前のpreSやコア領域の欠失及びセロコンバージョン後のT1653変異がHCC発症に寄与していた。 c)患者(HCC)_対照(non-HCC)研究:X領域〜core promoter領域の全塩基配列での検討:本邦に広く分布し予後不良とされるHBV genotype C(HBV/C)症例において、年齢、性別、HBe抗原陽性率をマッチさせた患者(HCCグループ80例)_対照(non-HCCグループ80例)研究を行った。basal core promoter(BCP)の変異(T1762/A1764)にalpha box 1653番目のCからTへの変異(T1653)や1753番目の変異が加わることにより肝癌発生に関与することを確認した。 d)海外との共同研究:HCCに寄与するHBV genotypeや遺伝子変異を明らかにした。 2.HBV複製増殖系を用いた検討 a)三次元培養ヒト肝細胞への感染実験系を確立した。 b)ヒト肝細胞置換キメラマウス(in vivo HBV感染・複製系)を用いて、HBV genotype Gの効率的な複製には、他のgenotypes(A, C)の共感染が必須であることを証明した。また、共感染により、肝繊維化が惹起されることもわかった。
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