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2006 年度 実績報告書

C型肝炎ウイルスによる感染B細胞内IRES依存性翻訳制御及び病原性発現機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 18590749
研究種目

基盤研究(C)

研究機関昭和大学

研究代表者

伊藤 敬義  昭和大学, 医学部, 助手 (50317517)

研究分担者 井廻 道夫  昭和大学, 医学部, 教授 (70134228)
キーワードC型肝炎ウイルス / B細胞感染 / リンパ増殖性疾患 / IRES依存性RNA翻訳
研究概要

C型肝炎ウイルス(HCV)はhepatotropismとlymphotropismを有する。我々はHCV感染者の約77%にB細胞感染を認め、リンパ増殖性疾患(LPD)関連マーカーのクリオグロブリン血症(Cg)やリウマチ因子(RF)の高値、また低補体血症をHCV患者で高頻度に認めること見出した。また、HCV感染者の約20%にB細胞の単一クローン増殖(oligo-clonality)が検出されることを免疫グロブリン(Ig)-重鎖遺伝超可変(VH)領域のfinger-printing assayで確認した。また、最近の培養B細胞株を用いたHCV感染系でもHCV E2蛋白とCD81のinteractionがIg-VH遺伝子のhypermutationを起こしていることが証明され、HCVのB細胞に対する病原性が明らかになっている。我々はHCV感染者に対して抗ウィルス療法を行い、B細胞からのHCV排除後のこれらB細胞機能異常の変化を解析した。
C型慢性肝炎に対し抗ウィルス治療(PEG-IFNα2b、riba併用療法30例、IFNα-2b、riba併用療法9例、Peg-IFNα2a 1例>を施行した患者40例(SVR25例、PR8例、NR7例)を対象とした。全例で治療前後の血清中LPDマーカーを測定し、13例でB細胞中のHCV RNA量及びIg-VH遺伝子のclonality解析を行った。患者40例中、治療前LPDマーカー異常は、Cg血症29例(72.5%)、血清補体価低値11例(27.5%)、RF高値18例(45.0%)であった。SVR25症例中、LPDマーカーの正常化例はCg18/22例(81.8%)、低補体血症7/11例(63.6%)、RF3/14例(21.4%)であった。また、治療前B細胞中HCV RNAは13例中10例で陽性だったが、治療後は全例で陰性化した。一方、治療前SVR患者13例中3例にIg-VH遺伝子のoligo-clonalityを認め、1例は治療後消失したが、2例では同じ塩基長のoligo-clonality bandカS残存した。C型慢性肝炎患者の抗ウイルス療法後SVR例において、B細胞中HCVは治療後全例で消失したが、HCV関連LPDマーカーのRFやIg-VH遺伝子のoligo-clonalityはHCV排除後も残存する傾向があり、一部のB細胞機能異常は継続する可能性が示唆された。更にB細胞感染をきたしている患者のHCV IRES及びE2領域に塩基配列を肝組織とB細胞中のHCVで比較するとE2領域ではほとんど変化がなかったが、IRES領域では一部塩基配列の相違を認めた。今後症例を増やして検討する予定である。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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