研究課題
Notchリガンド:Dll1、Jagged1の誘導型遺伝子欠損マウスを独自に樹立し、種々の組織の細胞系列決定におけるNotchリガンドの役割について解析している。平成18年度から平成19年度にわたり膵発生・分化におけるNotchリガンド:Jagged1の役割について検討した。Jagged1の発現を、抗Jagged1抗体を用いた免疫組織染色により検討した(図3A)。4週齢マウス膵臓では、膵管上皮細胞上に強い発現が認められ、また、外分泌細胞の一部にも弱い発現が検出できた。またE15.5膵組織でも、上皮細胞での発現が認められた。Jagged1誘導型遺伝子欠損マウス(Jagged1-floxed)を、膵特異的かつTamoxifen(TM)誘導型Cre発現マウス(Pdx-Cre/ER)と交配し、生後にTMをi.p.することにより膵特異的遺伝子欠失を誘導した。遺伝子欠失に伴い、膵管上皮および外分泌細胞でのJagged1分子の発現が消失した。遺伝子欠失を誘導4週後に、膵臓を採取し、膵各系列細胞の存在を、抗インシュリン(ベータ細胞)、抗グルカゴン(アルファ細胞)および抗アミラーゼ(外分泌細胞)抗体を用いた免疫組織染色により調べた。Jaggea1欠失膵臓では、外分泌様の形態を示す細胞の一部に、インシュリン、グルカゴン両発現細胞が認められた。対照マウスではこうした細胞はまったく認められなかった。TM投与をE9.5にて親マウスに行い、Jagged1遺伝子欠失を誘導した際にも、生後の膵臓にて上記と同様な形質を認めている。また、一部のマウスで、外分泌組織が完全に脂肪組織に置き換わり、内分泌細胞にて構成されるランゲルハンス島のみが存在することを見出した。
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