研究概要 |
自己免疫性肝炎患者の制御性T細胞(Tr)および樹状細胞(DCs)上のToll-like receptor(TLR)の発現様式の検討 1.制御性T細胞(Tr)上のToll-like receptor(TLR)の発現様式 末梢血液中に存在するTrには、わずかにTLR3,4,7,9が、また比較的多くTLR6が発現していることが明らかになった。AIH患者、C型慢性肝炎患者および健常者の各群間の比較では、C型慢性肝炎患者においてTLR6の発現が亢進しており、TLR9の発現は逆にC型慢性肝炎患者において減弱していた。 2.樹状細胞(DCs)上のToll-like receptor(TLR) DCsは末梢血に含まれる割合が極めて少ないため、GM-CSFなど各種サイトカインを利用してinvitroで末梢血中の単球からDCsを誘導した(MDDC)。また、末梢血よりPBMCを分離、B細胞と単球をデプリーションした後、CDlc、CD141、CD304の発現に基づいてポジティブセレクションによりMyeloid DC(MDC1、MC2)とPlasmacytoid DC(PDC)を調整した(PDC+MDC)。これらのDCsについて、リアルタイムPCR法を用いてTLRの発現状態を検討した。末梢血中の単球から誘導したMDDCには3群ともTLR2,3,4,6,7,8,9のすべてが発現していた。末梢血中に存在しているDCs(PDC+MDC)においては、健常者では主としてTLR3,4,6,7,9の発現亢進が認められ、とくにTLR9の発現亢進が著明であったのに対してAIH患者の末梢血中に存在しているDCs(PDC+MDC)ではTLR6のみが発現しており、健常者の発現パターンとは大きく異なっていることが明らかになった。
|