研究概要 |
心血管リモデリングにおける炎症の影響を解明し、遺伝子治療などによる治療効果を確認するために、種々の動物モデルを用いて実験した。 心筋リモデリングに関しては、カテキンによる心筋傷害抑制効果を心臓移植(Suzuki J.Cardiovasc Res.69:272-279,2006)、心筋炎(Suzuki J.Eur J Heart Fail.In press)、心筋虚血(Suzuki J.J Mol Cell Cardiol.In press)のそれぞれのモデルで明らかにした。さらに、COX2阻害剤(Suzuki J.J Mol Cell Cardiol.40:688-695,2006)またはCCR1アンタゴニスト(Futamatsu H.J Moll Cell Cardiol.40:853-861,2006)が心筋炎を、スタチンが心拒絶を(Suzuki J.Transplantation.In press)、NF-kB阻害剤が心筋虚血を(Onai Y.Am J Physiol Heart Circ Physiol.In press)それぞれ抑制することも証明した。 血管リモデリングに関しては、マウス動脈硬化モデルを作成しRXR agonistを投与したところ内膜肥厚の程度を軽減することに成功した(Haraguchi G.J Mol Cell Cardiol.41:885-92,2006)。さらに、我々は心臓移植後の血管病変の進展をPioglitazoneにより抑制できることも報告した(Kosuge H.Circulation.113:2613-2622,2006)。さらに、ウイルスベクターを用いない新しい遺伝子導入法として超音波マイクロバブル法を採用し、ICAM-1のアンチセンスを傷害された血管に導入したところ、安全かつ有効に動脈硬化進展を抑制できることを報告した(Inagaki H, J Vasc Res.43:12-18,2006.)
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