研究概要 |
1)HMG-CoA還元酵素阻害薬スタチン単独療法とスタチン+G-CSF併用療法の梗塞サイズ縮小効果とその分子メカニズム 本研究では、まず、水溶性スタチンであるpravastatinが、30分虚血・48時間再灌流のウサギ心筋梗塞モデルにおいて、梗塞サイズを縮小するかを検討し、その、分子メカニズム解明について検討した。Pravastatin(1mg/kg,5mg/kg)を虚血前10分に静注したところ、salineを投与したcontrol群(n=10,45±3%)に比較して、pravastatin 1mg/kg群(n=8,34±5%),pravastatin 5mg/kg群(n=8,24±4%)において有意に梗塞サイズの縮小が認められた。この梗塞縮小効果はNOS阻害薬のL-NAME前投与によって完全に消失した(n=9,42±4%)ことから、一酸化窒素(NO)産生が関与していることが推察された。さらに、microdialysis techniqueを用いて、30虚血・30分再灌流中の虚血領域の心筋間質内NOx濃度を測定したところ、pravastatin 5mg/kg投与した場合、control群(n=8)に比較して心筋間質内NOx濃度は有意に上昇する(n=8)ことを明らかにした。現在までの段階では、スタチンであるpravastatinには、虚血前に投与した場合、梗塞縮小効果があり、この効果はNO産生に関与していることを明らかにした。今後は、G-CSFとの併用療法でどのような効果があるかについて検討する。
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