研究課題/領域番号 |
18590766
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
因田 恭也 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (10359747)
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研究分担者 |
室原 豊明 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90299503)
近藤 隆久 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (00303644)
辻 幸臣 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (60432217)
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キーワード | 心房細動 / PARγアゴニスト / 心不全 / 心房筋線維化 |
研究概要 |
心房細動の発生・維持に心房筋の線維化が深く関わっている。ウサギ心房筋にペーシングリードを装着しペースメーカーを用いて心房を4週間にわたり高頻度刺激し、心不全モデルを作成した。このモデルにおいて慢性期に心臓電気生理検査を行った。心房細動は心房高頻度刺激により容易に誘発された。また組織学的検討により心房筋線維化を確認した。PPARγアゴニストを心房ペーシング開始時より投与することにより、心房細動の誘発性・持続時間が低下し、抗心房細動作用があることが確認された。また心房筋線維化を評価したところ、線維化の進行が抑制されていた。またアンギオテンシン受容体拮抗薬を投与すると、心房細動の誘発性・持続時間が抑制され、心房筋線維化も抑制された。コントロールと比較して、これらの薬物投与による心不全の軽減あるいは重症化を認めなかった。さらにPARγアゴニストとアンギオテンシン受容体拮抗薬の併用により、さらなる心房細動抑制効果・線維化抑制効果を認めなかった。PARγアゴニストはインシュリン感受性改善薬として臨床使用されているが、その他にもPARγアゴニストの多面的作用が報告されている。本研究により、PARγアゴニストにはさらに心房筋線維化抑制作用が存在することが証明され、この作用は心不全改善によるものではなかった。心房筋の線維化が心房細動の発生・維持に深く関わっていることが、本研究によっても再確認された。現在、PARγアゴニストの抗線維化作用機序を検討中である。
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