研究課題
基盤研究(C)
磁性微粒子にNatural Killer Cell-1(NK-1)抗体を結合させた抗体結合型磁性微粒子を作成した。胎生期ラット由来の洞結節・刺激伝導系細胞を抗体結合型磁性微粒子で標識し、多電極付培養皿上に磁性微粒子陽性および陰性の心筋細胞を播種した。その際底面の一部に磁場を与え、磁性微粒子陽性細胞を集積した群(パターニング群)、磁場を与えずにランダムに播種した群(非パターニング群)に分け、細胞外表面電位を調べ、興奮生成・伝播特性を比較した。また、パターニングした培養シートを、新生仔ラット由来の培養心室筋細胞シート上に移植し、Ca感受性色素であるRhod-2を添加し、高速CCDカメラで興奮の生成と伝播の過程を観察した。その結果、非パターニング群では最早期興奮部位が一定せず、興奮伝播様式もリエントリを示すなどして不安定な状態を示すものがあった。一方、パターニング群では、磁性微粒子標識細胞が集簇した部位から安定した速いレートの自己拍動と定方向の興奮伝播が観察された。また、あらかじめ培養してある新生仔期ラット心室由来の静止作業心筋細胞シートに、パターニング細胞シートを移植すると作業心筋細胞シートに新たに自己拍動が生じた。移植細胞シートと作業心筋シートの興奮はほぼ同期して興奮していることが認められた。これらの結果から、磁性微粒子標識による心筋細胞配列のパターニングは、機能的ペースメーカ組織の構築に有用な方法であることが示唆された。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)
Eur J Pharmacol 578
ページ: 270-278
Biotechnol. Bioeng 96(4)
ページ: 803-809
Heart View 11(7)
ページ: 128-133
Biotechnol, Bioeng 96(4)
ページ: 803-9