研究概要 |
1.cDNAライブラリーを発現する非増殖性組み換えレトロウイルスの作製。 P19CL6細胞を用い心筋細胞への分化誘導を行い、分化誘導後4〜7日の細胞より抽出したmRNAからcDNAを合成し、レトロウイルスベクターに組み込みcDNAライブラリーを作製し、非増殖性組み換えレトロウイルスを作製した。 2.未分化状態のES細胞を分化誘導する因子の探索。 (1)心筋細胞へと分化するとGFP遺伝子を発現するES細胞を用い、作製したcDNAライブラリーをレトロウイルスベクターにより遺伝子導入することにより、GFPを発現し心筋細胞へと分化した細胞群が確認できたため、それらの細胞を採取し染色体DNAを抽出した。 (2)抽出した染色体DNAよりレトロウイルスベクターを認識するベクタープライマーを用いPCRによりcDNAを回収し、その塩基配列をシークエンサーにより決定し、G protein beta polypeptide 2 like 1(Gnb2l1, Rack1), oxidase assembly 1-like (Oxa1l), glutaredoxin 5 homolog (Glrx5), aurora kinase A interacting protein 1(Aurkaipl)などを候補遺伝子として得た。 3.同定した候補遺伝子の機能解析。 同定した候補遺伝子のfull-length cDNAをレトロウイルスベクターによりES細胞に発現させることにより、これらの遺伝子の心筋細胞への分化誘導能を検討している。
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