研究概要 |
平成18年度申請者らはRyRチャネル安定化を誘導するアミノ酸配列が存在することを見いだした。その部位のペプチドを合成しそのペプチド(治療ペプチド)の作用について様々な角度から検討を行った。その結果治療ペプチドは心不全モデル犬から精製したRyRからのCa^<2+>リークを抑制し、RyR内のchannel制御ドメインをzippingするという効果を持つことがわかった。また心不全モデル犬からの単離心筋細胞ではcell shortening, Ca^<2+> transientを改善し,Ca^<2+> spark頻度を減少させ、培養細胞の生存率を改善することもわかった。さらに申請者らはこの作用メカニズムに関する研究を行い、このアミノ酸配列部分がRyR安定化作用を有するJTV519の結合部位であることを確認してした。すなわちRyRのfragmentをexpressionしそのfragmentとJTV519との分子間結合をみたところ治療ペプチドの配列部分においてJTV519との結合が確認された。さらにこの治療ペプチドはRyRのcentral regionに結合することによってJTV519が結合した場合同様RyR内のchannel制御ドメインをzippingさせることによりRyRのチャネル安定化をもたらすことがわかった。これら実験によりJTV519のRyR安定化メカニズムおよび治療ペプチドの作用メカニズムが明らかとなった。
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