研究課題/領域番号 |
18590783
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
武田 裕 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (70381837)
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研究分担者 |
三島 晃 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00254277)
大手 信之 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (10185332)
浅野 実樹 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (20275134)
土肥 靖明 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (40305529)
水野 寛太郎 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (60264719)
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キーワード | 成人先天性心疾患 / ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド / 心-腎連関 / 酸化ストレス / エンドセリン / 心不全 / バイオピリン |
研究概要 |
平成18年度に引き続き研究を継続し、通算で成人先天性心疾患患者21名と、対照となる健康成人4名からデータを収集した。NYHA心機能クラスは患者群で2.4±0.6であるのに対し対象群は全員がクラス1で、有意差があった(p=0.001)。また、問診法による運動耐容能は、患者群が5.1±1.3METsであるのに対し、対照群は全員が7.0以上で、有意差があった(p=0.019)。また、自然対数変換した血漿脳性ヒトナトリウム利尿ペプチド濃度は、患者群が健常人に比べ有意に高かった(患者3.78±0.95 lognormal pg/mL;対照1.52±0.32 lognormal pg/mL;p<0.0001)。血中β2ミクログロブリンも患者群が有意に高かった(患者1.75±0.77 mg/L;対照1.28±0.21;p=0.032)。患者群において、運動耐容能と、エンドセリンー1、脳性ヒトナトリウム利尿ペプチド、β2ミクログロブリン、尿中ネオプレチン、尿中バイオピリンとの関係を検討すると、唯一、尿中バイオピリンが運動耐容能と有意な回帰関係があった(運動耐容能[METs]=-0.102×尿中バイオピリン濃度(u/L)+5.86;R=0.501;p=0.018)。従来、成人先天性心疾患の運動耐容能は、心機能指標やBNPなど神経体液性因子との関連が明らかでなかったが、本研究において、運動耐容能と酸化ストレスとの強い相関が推定された。酸化ストレスは、成人先天性心疾患患者の運動耐容能改善において有望な治療ターゲットとなることが示唆された。
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