研究課題/領域番号 |
18590792
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
岡 直樹 久留米大学, 医学部, 講師 (00299421)
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研究分担者 |
上田 集宣 久留米大学, 医学部, 助手 (50389251)
宮崎 宏 久留米大学, 医学部, 助手 (90343699)
古賀 章正 久留米大学, 医学部, 助手 (10309776)
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キーワード | 心肥大 / 活性酸素種 / 心筋 / トランスジェニックマウス |
研究概要 |
Lysyl oxidase(LOX)はコラーゲンの架橋反応を担う酵素で、5つのアイソフォーム(LOX, LOXL1〜4)がある。架橋反応以外にも多様な機能を有すが、心血管系におけるLOX familyの役割は不明な部分が多い。申請者らはDNA chipを用いた検討から、ラット肥大心において1ysyl oxidase-like protein(LOXL)の発現が亢進していることを見いだし、LOXLの圧負荷肥大心で発現変化や心筋細胞肥大に促進的に働く可能性を明らかにしてきた。本検討の目的はLOXファミリーの心血管系における役割の全貌解明であり、今年度はLOXLを心臓で特異的に発現するマウスを作成した。LOXL cDNAの上流にα-ミオシン重鎖遺伝子プロモーターを挿入しコンストラクトを作成した。常法でマウス卵にインジェクションし、ラインを確立した。このマウスは心収縮能としては正常範囲であったが、左室肥大を有し組織学的には心筋細胞肥大と心筋線維化を来すことが判明した。Angiotensin-IIを持続注入するとさらに心肥大や心筋線維化が増強された。またLOX反応ではby-productとしてH_2O_2が産生されるため、LOXLにより心筋で産生されたH_2O_2がマウスの表現型に関与する可能性があると推測し、活性酸素種を広凡にブロックするEUK-8をマウスに投与し表現型に与える影響を検討した。その結果、EUK-8により心筋細胞肥大、心筋線維化ともに軽減されることが分かった。以上からLOXLは心臓において肥大や心筋線維化を促進させるよう働き、それには活性酸素種が関与することが推測された。
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