研究課題
基盤研究(C)
ラット圧負荷肥大心と容量負荷肥大心でDNA chipを用いて遺伝子発現の相違を検討したところLOXLは両肥大群で著明な発現充進がみられ、この発現変化はReal-time PCRでも確認された。Lysy1 oxidase(LOX)は、銅依存性細胞外モノアミン酸化酵素であり、コラーゲンやエラスチンの架橋反応を担っている。LOXには少なくとも5つのアイソフォームがあり(LOXL、LOXL2、LOXL3、LOXL4)、架橋反応以外にも成長因子やサイトカインなどにより発現制御を受けることや、細胞内や核内にも局在することなどから、細胞の成長、発達などに関与すると推測されている。肥大心でのLOX familyの発現変化は報告されていずその意義は不明である。腫瘍抑制に関与することなどから心筋細胞肥大自体を制御する可能性があるが、他のLOX familyを含め心筋細胞での発現の意義については不明な点が多い。LOXLは肥大アゴニストにより発現誘導され心筋肥大を誘導する。LOXLは、圧負荷、容量負荷の両者の肥大心で発現充進がみられた。LOXL mRNAは、Gq依存性アゴニストやIGF1により増加することが示された。また、LOX活性も同様に制御されていた。LOXの阻害薬でLOX活性を抑制すると、心筋細胞肥大が有意に抑制された。心臓特異的発現LOXLトランスジェニックマウス(LOXL-TG)の解析マウスにおいてもラットと同様に肥大心においてLOXL mRNA発現が充進していることが示された。心臓特異的発現LOXLトランスジェニックマウス(LOXL-TG)を作成した。心臓でLOXL mRNAの発現の著明な亢進がみられることを確認した。LOXL-TGでは左室/体重比の有意な増大を認めるも、血圧の有意な差は認めなかった。LOXL-TGではBNP mRNAの発現は野生型に比べ増加傾向を認めた。LOXL-TGではWild typeに比べ心筋細胞肥大を認め、angiotensin II負荷で更に増強されることが確認された。また、TGマウスでは心筋線維化がみられ、特に細胞間質の線維化が顕著であった。線維化はAngiotensin II負荷にて更に増強された。
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