研究課題/領域番号 |
18590811
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
楽木 宏実 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20252679)
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研究分担者 |
石川 一彦 大阪大学, 医学部附属病院, 助手 (60379245)
大石 充 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50335345)
荻原 俊男 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60107042)
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キーワード | klotho / 脂肪分化 / siRNA / 3T3-L1 / 血管内皮細胞 |
研究概要 |
老化関連蛋白klotho遺伝子のcDNAを発現ベクターに挿入し、klotho過剰発現プラスミドを作成した。またプラスミドを細胞内に遺伝子導入し、klotho蛋白を抽出した。Klothoの発現抑制のために、klotho-siRNAプラスミドを作成した。 まずマウス線維芽細胞(3T3-L1)を脂肪細胞に分化誘導し、klotho発現の変化を調べたところ、早期に急激に上昇し、その後徐々に低下した。これにより、klothoが脂肪細胞分化早期になんらかの役割を有する事が示唆された。次にKlotho-siRNAプラスミドをマウス3T3-L1細胞に遺伝子導入し、脂肪分化を誘導したところ、コントロールに比べ、PPARγ、CEBPα、β、δなどの脂肪分化マーカーの抑制が見られた。またklotho過剰発現プラスミドを同様に遺伝子導入し、マーカーを調べたところ、逆に脂肪分化の促進を示す結果となった。これにより、klothoは、脂肪分化を促進する作用を有すると考えられたため、抽出したklotho蛋白を3T3-L1細胞にふりかけ、同時に脂肪分化を行ったところ、各脂肪分化マーカーの上昇、Oil red 0染色による脂肪分化促進が確認された。これらの作用は、成熟脂肪細胞に分化後には、見られなかった。 以上のことからklothoが脂肪分化早期において脂肪分化を促進する作用を有することが示された。すでにこの実験結果を論文にまとめ、報告を行った(Endocrinology,2006)。 またKlothoの血管内皮細胞に対する効果に関しても実験を行っており、炎症抑制効果が示唆される実験結果が得られている。
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