研究課題/領域番号 |
18590811
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
樂木 宏実 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20252679)
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研究分担者 |
石川 一彦 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (60379245)
大石 充 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (50335345)
荻原 俊男 大阪大学, 名誉教授 (60107042)
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キーワード | Klotho / 脂肪分化 / 接着因子 / 3T3-L1 / 血管内皮細胞 |
研究概要 |
1,血管内皮細胞における老化抑制蛋白Klothoの抗炎症作用 Klotho蛋白の抗炎症作用について研究を行った。TNF-α刺激により、血管内皮細胞は、ICAM-1、VCAM-1といった接着因子の発現が上昇し、NF-kb活性が亢進する。そこにKlotho蛋白を加えると、ICAM-1、VCAM-1の発現は低下、NF-kb活性が減弱した。またIk-Bのリン酸化も同様の変化を示した。これらの事実からKlotho蛋白は、血管内皮細胞において抗炎症作用を示し、これはNF-kb活性の抑制を介する事が明らかとなった。 2,脂肪分化における老化抑制蛋白Klothoの役割 これまでに、Klotho蛋白が脂肪分化を促進する事を示したが、klothoと相互作用のあるFGF23の脂肪分化における作用、klothoとの関係について、実験を行った。細胞実験では、3T3-L1細胞から脂肪細胞への分化時にKlothoの発現が増加するのに対して、FGF23及びその受容体の発現は低下し、またFGF23蛋白は、klotho蛋白の脂肪分化促進作用を抑制した。またKlotho蛋白は、脂肪細胞分化後においてもアディポネクチンの発現を強力に促進した。これらの作用は、他の臓器と異なり、脂肪細胞に特異的な機能であると考えられる。また生体でのこれらの作用機序を調べるために、FGF23 KOマウスとKlotho KOマウスのダブルKOマウスを作成した。
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