研究課題/領域番号 |
18590818
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小池 城司 九州大学, 大学病院, 特別教員 (90325522)
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研究分担者 |
江頭 健輔 九州大学, 医学研究院, 准教授 (60260379)
竹本 真生 九州大学, 大学病院, 助教 (90403998)
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キーワード | 虚血性心疾患 / 冠動脈硬化 / ステント再狭窄 / 冠動脈攣縮 / 遺伝子多型 / 遺伝解析 |
研究概要 |
本研究の主な目的は、日本人の虚血性心疾患の分子機序やリスクの層別化・テーラーメード医療に関連する遺伝要因を探索することである。対象となる虚血性心疾患は冠動脈硬化性虚血性心疾患と日本人に特徴的な冠動脈攣縮性虚血性心疾患であり、そのリクルートを実施した。研究方法は、リクルートした対象者のゲノムDNAを用いて、候補遺伝子アプローチにより「冠動脈硬化」、「ステント再狭窄」および「冠動脈攣縮」の成因に関与する日本人固有の遺伝要因の検討をすることである。これらの解析を行うことにより、日本人の虚血性心疾患に対するテーラーメード医療の基盤とすることを目指した。 これまでに獲得した研究対象者数は、冠動脈硬化性虚血性心疾患群についてはこれまでに冠動脈形成術・ステント(薬剤溶出製ステントは除く)留置術後の再狭窄群および非再狭窄群等を合わせて171症例、冠動脈攣縮性虚血性心疾患群については352症例であり、それらの臨床データおよびDNAを収集した。 冠動脈攣縮性虚血性心疾患群を冠動脈硬化性虚血性心疾患群に対する対照群として解析することから、両群ともこれまでに日本人での心筋梗塞との相関を認めたLymphotoxin α遺伝子およびそれに関連する遺伝子群や我々で明らかにした冠動脈攣縮と相関を認めたRho kinase遺伝子やParaoxonase 1遺伝子を含めた17の候補遺伝子についての遺伝子多型を決定した。 これまでの解析からは、「冠動脈硬化」、「ステント再狭窄」および「冠動脈攣縮」についてはそれぞれの病態に相関する新たな遺伝子は同定できなかった。しかしながら、リクルートした研究対象者数がそれほど多くなく、また一部の候補遺伝子での検討であるので、今後は研究対処者数を増やし、全ゲノムの網羅的な解析が待たれるところである。
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