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2007 年度 実績報告書

喫煙肺気腫におけるMafBの肺胞マクロファージアポトーシス抑制機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18590835
研究機関山形大学

研究代表者

柴田 陽光  山形大学, 医学部, 講師 (60333978)

研究分担者 高畠 典明  山形大学, 医学部, 非常勤講師 (80344795)
阿部 修一  山形大学, 医学部, 助教 (40400543)
キーワード肺胞マクロフィージ / 転写因子 / MafB / 喫煙 / 肺気腫
研究概要

肺気腫は肺胞壁の破壊および肺胞マクロファージ数の増加を病理的特徴し、その9割は喫煙が原因であると考えられている。近年の研究において、喫煙により活性化された肺胞マクロファージがその病態の進展に重要であることが理解されてきている。その活性は亢進しさらにタバコ煙の毒性のも関わらずその寿命が著明に延長していることが報告されている。一方、MafBはマクロファージの機能を調節する転写因子として知られているが、その肺気腫の病態にどのように関与するかは検討されていなかった。我々は以前、マウスへ6ヶ月にわたる喫煙負荷を行い肺気腫マウスを作製し、回収した肺胞マクロファージよりMafBの遺伝子発現を解析した。喫煙負荷マウス肺胞マクロファージでは転写因子MafBの発現はRNAおよび蛋白レベルにて有意に充進しており、肺胞マクロファージの核蛋白中ではその転写活性が亢進していた。さらにMafBの機能を探究するため、マクロファージ細胞株にプラスミドベクターを用いてMafB強制発現細胞株を作製し、MafB過剰発現によりアポトーシスが枕制されることを見出した。そのアポトーシス抑制機序として、ミトコンドリア経路ではなく、カスパーゼ3の活性を抑制すること、特にアポトーシス調節因子であるmodulator of apoptosis-1の発現を抑制することを示した。
さらに詳細にMafBの機能を解析するために、プラスミドベクターを用いてMafB shRNA恒常発現細胞株(MafBノックダウン細胞)を作成することに成功した。こちらでは逆にMafB抑制によって喫煙ストレスによるアポトーシスが亢進することが理解された。
また、in vivoでのMafBがマクロファージでどのような機能を有しているのかを詳細に検討するため、スカベンジャーレセプター制御ドミナントネガティブMafB発現マウスを作成した。現在そのマウスを用いて生体内でのMafBの機能を解析中である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Enhanced immediate inflammatory response to Streptococcuspneumoniae in the lungs of mice with pulmonary emphysema2008

    • 著者名/発表者名
      Tokairin Y, et. al.
    • 雑誌名

      Respirology 13

      ページ: 324-332

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Enhanced expression of MafB inhibits macrophage apoptosis induced by cigarette smoke exposure2007

    • 著者名/発表者名
      Machiya J, et. al.
    • 雑誌名

      Am J Respir Cell Mol Biol 36.4

      ページ: 418-426

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Anonfunctioning single nucleotide polymorphism in olfactory receptor gene family is associated with the forced expiratory volume in the first second/the forced vital capacity values of pulmonary function test in a Japanese population2007

    • 著者名/発表者名
      Takabatake N, et. al.
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun 364.3

      ページ: 662-667

    • 査読あり
  • [学会発表] Enhanced MafB Expression in Alveolar Macrophages of Human Cigarette Smokers2007

    • 著者名/発表者名
      Sato M. et. al.
    • 学会等名
      12th Congress of the APSR
    • 発表場所
      Gold Coast Austualia
    • 年月日
      2007-12-02

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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