研究課題
すでに平成18年度〜19年度の間に、過去の症例を含めて、間質性肺炎40例(特発性、膠原病、慢性過敏性肺炎)、サルコイドーシス20例、Organizing Pneumonia5例、その他5例、計70例の気管支肺胞洗浄液を検討し、凝固能のマーカーとしてはTAT(thrombinantithrombin複合体)、線溶系のマーカーとしてはD-dimerを測定することとしたが、測定値のばらつきが大きく、現時点では有意な差は得られていない。これは血中と違い、肺胞洗浄液が種々の程度に希釈されていることも一因と考えられ、適当な補正法も検討が必要である。したがって、肺胞洗浄液所見と生検組織、臨床所見との対比などは現時点では行い得ていない。線維化主体のFibrosing NSIP(f-NSIP)を中心とした急性増悪症例の特徴については、ヘマトキシリンエオジンおよびエラスチカワンギーソン染色での観察のレベルで、fibroblastic fociの分布が目立つ症例に急性増悪が多い傾向が伺われている。肺胞洗浄液の検討に思いのほか時間を要したため、今回の期間では十分検討できなかった。しかし、昨年度までに外科的肺生検組織自体は間質性肺炎26例、サルコイドーシス2例、Organizing Pneumonia3例など十分集めることができたので、今後さらに検討を加えていくことができると考えている。
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Rheumatol lnt. (印刷中)
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