研究課題/領域番号 |
18590845
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
今泉 和良 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (50362257)
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研究分担者 |
長谷川 好規 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20270986)
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キーワード | 閉塞性細気管支炎 / Sauropus androgynus(アマメシバ) / TNF-a / 単球系細胞 / 血管内皮細胞 / マウス気管移植片モデル / 水溶性分画 / クロマトグラフィー |
研究概要 |
Sauropus androgynus(SA、アマメシバ)の葉の抽出物の摂取に関連した閉塞性細気管支炎(BO)の発症の報告がある。SAが単球系細胞、気道上皮細胞および血管内皮細胞に与える直接の影響を検討した。 単球系腫瘍細胞株(THP-1、RAW)、ヒト末梢血単球、ヒト肺胞マクロファージからSAは有意にTNF-αの産生を増大させ、その責任成分は水溶性分画(aqSA)に含有されていることが判明し、この成分は単球系細胞からTNF-α以外のサイトカイン、ケモカインも産生誘導した。また、aqSA刺激による正常ボランティア末梢血単球からのTNF-α産生誘導においては有意な個人差が存在し、SAを接種した人の一部のみにBOを発症することとの関連が示唆された。 一方で肺胞上皮細胞については、SA(DMSO 溶解液)、aqSAともに炎症性サイトカイン、ケモカインの産生増強は認められなかった。血管内皮細胞に対するSAの影響を検討すると、aqSAは内皮細胞株MS-1の増殖を48時間で有意に抑制し、内皮細胞にアポトーシスを誘導した。さらにマウス気管支移植片を用いたBOモデルにおいてaqSAは有意に移植片の閉塞性炎症所見を増強していた。以上の結果から、aqSAにはBO発症に関連する物質が含有されている可能性が強く示唆された。 さらにODSクロマトグラフィー等でこのaqSAの細分化を行うと、やや極性の低い分画に単球系細胞からのTNF-α産生誘導能が強いことが判明した。これはaqSAに含まれる成分の中で、比較的水親和性の軽度な分画に、単球系細胞を介して生体に炎症を引き起こす物質が含有されていることを示しているが、最終的にSAによるBO発症の原因物質の単離までには到らなかった。今後、さらなる探索が必要である。
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