研究概要 |
平成19年度はリホホリサッカライト(LPS)による悪性肺傷害マワスを用いてプロテインSの抑制効果を検討した。また,人由来の肺胞上皮細胞(A549)を用いてサイトカイン発現に対するプロテインSの抑制効果も検討した。 1)LPSによる急性肺傷害に対するプロテインS単独の抑制効果:C57BL/6野生型マウスにLPS(5mg/kg)を気管内に投与し,急性肺傷害モヂルを作製した。LPSの投与前にプロテインS(1mg/kg)または生理食塩を服内投与し,24h後に血液,気管支肺胞洗浄液中の炎症性サイトカイン,炎症性細胞,組織学的変化を比較検討した。その結果,プロテインS投与群ではコントロール群に比べ,MCP-1,TNFα,IL-6の濃度は有意に低下した。また,プロテインSの投与群では肺組織中の炎症性細聡の浸潤もコントロールマウスに比べ有意に減少した。 2)プロテインSによる人由来の細胞からの炎症性サイトカインの抑制効果:人由来の肺胞上皮(A549)細胞と(THP-1)単球細胞を用いてプロテインSの効果を地較検討した。その結果,プロテインSはA549またはTHP-1細胞からのTNFα,MCP-1の炎症性サイトカインを抑制した。以上の結果よリプロテインSは急性肺障害の治療薬としての有用性が示唆された。
|