研究課題/領域番号 |
18590848
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
西村 善博 神戸大学, 医学系研究科, 講師 (20291453)
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研究分担者 |
小谷 義一 神戸大学, 医学部附属病院, 助手 (90403287)
岡田 太郎 神戸大学, 医学系研究科, 助教授 (80304088)
西馬 照明 神戸大学, 医学系研究科, 医学研究員 (10379414)
平田 健一 神戸大学, 医学系研究科, 助教授 (20283880)
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キーワード | スフィンゴシン1リン酸 / スフィンゴシンキナーゼ / 線維芽細胞 / 急性喘息モデル |
研究概要 |
本研究課題は細胞実験と動物実験からなっている。まず細胞実験として、急性肺障害にかかわる線維芽細胞の形質転換による線維化シグナルについての検討を行った。以前我々は脂質スフィンゴシン1リン酸(S1P)投与により線維化を引き起こすことを論文報告したが、今回予備実験でS1P合成酵素(SPHK)阻害剤投与が線維化の抑制を示すことが明らかとなった。そこで今回の実験系では従来のTGFβによるsmads、Rhoシグナルとスフィンゴシン代謝の関りに注目した。TGFβ刺激によってSPHK2に比しSPHK1の活性が引き起こされ、S1Pが合成される。合成されたS1Pが内在性のS1P受容体をtransactivationし活性型Rhoをrecruitするしくみを我々はsiRNAを用いた実験・蛍光染色法により初めて明らかにし、成果を現在投稿中である。 また前回の科学研究費(JSPS15590810)との関連でSPHK阻害剤が卵白アルブミン吸入による急性喘息モデル・好酸球性肺障害に対する効果を検討した。静脈投与による抗炎症作用は限定的で好酸球炎症への効果は低く、吸入投与にて肺の炎症・気道過敏性を抑制することからSPHK活性の抑制には投与方法が非常に重要であることが示唆された。喘息への新たな治療ターゲットになると考えられ、成果を現在投稿中である。他の急性肺障害にも応用すべきと考えている。 そこで現在、我々が作成している人工換気肺障害モデルを用いて予備実験でSPHK活性が上昇するかを検討している。近年の報告ではS1P受容体が肺障害の血管透過性に関与している報告があるが、S1P受容体の発現量に関しては変化がないという結果が出ており、さらに検討を加えている。
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