研究課題/領域番号 |
18590874
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(近畿中央胸部疾患センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
林 清二 独立行政法人国立病院機構(近畿中央胸部疾患センター臨床研究センター), 統括診療部, 副院長 (70218577)
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研究分担者 |
井上 義一 独立行政法人国立病院機構(近畿中央胸部疾患センター臨床研究センター), 呼吸不全難治性肺疾患研究部, 部長 (90240895)
中村 秀次 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (20237423)
橘 和延 独立行政法人国立病院機構(近畿中央胸部疾患センター臨床研究センター), 統括診療部, 内科医師 (10311482)
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キーワード | 肝がん由来増殖因子 / 間質性肺炎 / サルコイドーシス / びまん性肺疾患 / 肺がん / 上皮再生 / 上皮傷害 |
研究概要 |
肝癌由来増殖因子(hepatoma-derived growth factor : HDGF)はヘパリン結合性増殖因子で、ヒトや実験動物で傷害を受けた後再生した気道、肺胞上皮細胞が発現し、間質性肺炎モデル動物の気管支肺胞洗浄液(BALF)中に高濃度のHDGF発現が検出されたことを報告し、これら肺構築の破壊を誘導する疾患の病態にHDGFが深く関わることを報告してきた(Mori et.al.,Am J Respir Cell Mol Biol 30:459,2004)。肺構築の改変と肺胞上皮細胞の傷害と再生を伴う呼吸器疾患(間質性肺炎、サルコイドーシス、肺がんおよび疾患対象としてびまん性肺野病変を持たない呼吸器疾患について、その病態とHDGFの関係を明らかにするため以下の検討を行った。 1.マイクロサンプリング法による気道分泌液中の肝癌由来増殖因子発現の検討 2.ELISA法の完成によりHDGF測定のより正確な定量を行う(兵庫医大、中村助教授との共同研究による) マイクロサンプリングプローブ先端のウレタンスポンジに気道粘液を吸着する。1症例につき3本のプローブを使用する。マイクロサンプリングプローブは清潔な鋏で先端部分のみを切り落とし、マイナス20度で保存する。 HDGFの定量:プローブを秤量後、1mlの生理的食塩水に浮遊させ、ボルテックスで吸着した粘液を溶出し、ELISAによるHDGFの定量に供す。気道粘液あたりの目的タンパク量算出のため溶出後のプローブは乾燥させ再度秤量する。現在まで当院の気管支鏡施行例中の46例からマイクロサンプリング検体を採取し、うち6症例分の検体を現在は開発中のELISA法によってHDGF検出をおこなった。その結果2から10ng/mlの濃度のHDGFが気道粘液中に検出されることがわかった。今年度は100例の検体採取を目指し、症例の獲得に努める。かつELISA法による検出系の確立を目指す。
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