研究課題/領域番号 |
18590874
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(近畿中央胸部疾患センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
林 清二 国立病院機構近畿中央胸部疾患センター, 副院長 (70218577)
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研究分担者 |
中村 秀次 兵庫医科大学, 総合内科, 助教授 (20237423)
井上 義一 国立病院機構近畿中央胸部疾患センター, 研究部長 (90240895)
橘 和延 国立病院機構近畿中央胸部疾患センター, 内科医師 (10311482)
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キーワード | マイクロサンプリング / 間質性肺炎 / サルコイドーシス / サイトカイン / 肝癌由来増殖因子 / 好酸球性肺炎 |
研究概要 |
気管文鎮下マイクロサンプリング法により低侵襲性に気道被覆波(ELF)が採取可能である。ELF中の総タンパク量とサイトカイン、増殖因子を測定し、本法の炎症性肺疾患病態解析への有用性と問題点を検討した。呼吸器疾患57症例(間質性肺炎27例、サルコイドーシス4例、好酸球性肺炎4例、血痰4例、その他18例)より3本のプローブ(オリンパス社製マイクロサンプリングプローブBC-401C)を使用し、右中葉入口付近より直視下にELFを採取した。ELF総重量は30.2±15.3mgであった。生理的食塩水1mlでプローブより抽出したELF中には666.6±700.3μg/mLのタンパクが検出された。検体採取時粘膜損傷による血液混入はELF中タンパク量を増加させた。われわれが気道、肺胞上皮細胞の傷害と再生に関与することを報告してきた肝癌由来増殖因子をELISA系で定量したところ、6.7から73.5ng/mlの範囲で全例に検出可能であった。さらにMultiplex Suspension Array System 27Plex (BioPlex)により2例のELF中液性因子を測定したところ、IL-1b,-5,-6等16種が検出可能であった。既存の測定系によってELF中のサイトカインや増殖因子の定量が可能で、炎症性肺疾患病態解析に有用なツールと考えられた。一方、検体採取手技が測定結果に影響する可能性が示唆された。
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