研究課題/領域番号 |
18590875
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(近畿中央胸部疾患センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
久保 昭仁 独立行政法人国立病院機構(近畿中央胸部疾患センター臨床研究センター), 政策医療企画研究部治験管理研究室, 室長 (60416245)
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研究分担者 |
岡田 全司 独立行政法人国立病院機構(近畿中央胸部疾患センター臨床研究センター), 臨床研究センター長 (40160684)
高田 實 独立行政法人国立病院機構(近畿中央胸部疾患センター臨床研究センター), 肺がん研究部, 部長 (20373516)
河原 正明 独立行政法人国立病院機構(近畿中央胸部疾患センター臨床研究センター), 統括診療部, 部長 (30344352)
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キーワード | 癌 / 免疫学 / 応用動物 / グラニュライシン |
研究概要 |
グラニュライシン(Gra)(9k,15k)の肺癌細胞殺傷効果とその機序およびシグナル伝達、アポトーシスへの影響について検討を行った。(1)9k-,15k-リコンビナントGraの作成には、をCos7細胞の培養上清に分泌させる系を用いた。これにより培養肺癌細胞におけるin vitroでの15k Graの抗腫瘍効果を得た。したがってin vivoでの肺癌細胞殺傷効果を解明する。(2)Graによる抗腫瘍効果発現の際にアポトーシス、シグナル伝達に影響を与える因子として、細胞骨格タンパク・サイトケラチン(CK)と上皮細胞成長因子受容体(EGFR)に注目した。非小細胞肺癌(NSCLC)においては最も発現レベルの高い2型CKであるCK8に加え、しばしば1型CK19の過剰発現が見られ、血中に逸脱したCK19フラグメントはCyfra21-1として臨床的にも重要な腫瘍マーカーである。1型、2型CKによるCKフィラメントの維持・代償機構について、肺癌細胞株(腺癌A549、HI1017および扁平上皮癌EBC1)において検討を行いCK19発現がCKフィラメントの維持・代償に重要であることを明らかにした。CKは一部が細胞表面に露出しており、肺癌で過剰発現したCK19は腫瘍特異抗原の可能性がある。(3)EGFRはチロシンキナーゼ阻害分子標的薬ゲフィチニブ(商品名イレッサ)の標的分子であり、遺伝子変異または増幅によって恒常的なEGFR活性化がおこる。新規に樹立した10種類の細胞株を含めた16種類のNSCLC細胞株において、EGFR遺伝子増幅はEGFR遺伝子変異のある株においてのみ検出され、EGFR遺伝子の増幅と変異には密接な関連があることが示唆された。変異・増幅したEGFRは癌免疫監視機構の標的となりうると考えられた。
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