研究概要 |
i)NTNモデルにおける腎不全進行抑再生作用の検討 TSAはこれまでin vivoで抗腫瘍作用やSLEマウスでの進行抑制作用報告されており、TSAの投与量はこれらの報告に準じて0.5mg/kgとする(Mishra et al. J. Clin. Invest, 2003, 111, 539-552)。TSAは40μlのDMSOに溶解し、NTNモデル作成後、3週間に渡り連日皮下注射を行った。コントロールグループはDMSOのみを皮下注射する。7日毎に6匹ずつ屠殺し、21日まで経時的に腎臓SP細胞解析、蛋白尿、血清BUN, CRTNN、腎臓組織を評価する。組織染色に関しては、MyoR, BCRP-1に加え、HE染色、Masson trichorome染色、periodic acid-Schiff (PAS)染色により組織の硬化、繊維化の程度を評価し、既報に従いscoringを行った。以上より、TSAは腎不全の進行を抑制することが明らかとなった。 ii)NTNモデルにおける腎不全再生作用の検討 上記i)のモデルでは慢性腎不全の進行過程にTSAを投与して進行抑制作用を検討したが、次にNTNモデルでの慢性腎不全が完成するMTS処置後3週を過ぎた4週から7週までTSAを投与し、進行した腎不全を再生できるか検討する。コントロールグループはDMSOのみを皮下注射する。7日毎に6匹ずつ屠殺し、28日から49日まで経時的に腎臓SP細胞解析、蛋白尿、血清BUN, CRTNN、腎臓組織を評価した。その結果、TSAは腎不全による失われた機能を部分的に回復させることがあきらかとなった。
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