研究課題
基盤研究(C)
実験的腹膜硬化症の遣伝子改変したマクロファージによる治療の試み〓実験的腹膜硬化症の作成と腹膜形態の解析クロールヘキシジンを隔日にマウス腹腔内に投与し、実験的腹膜硬化症を作成した。腹膜の形態はHE染色を行い腹膜肥厚度を、また免疫組織学的にheat shock protein 47 (HSP47)、α-smooth muscle actin (SMA)、III型コラーゲン(col III)、マクロファージ(F4/80)、TGF-βを観察した。【結果】腹膜中皮下組織は時間と共に肥厚し、HSP47を始めS温,TGF-βの発現増強とマクロファージの浸潤を認めた。特にマクロファージの浸潤の程度は腹膜硬化の進展に相関していた。〓マクロファージへのHGFプラスミドの取り込み腹腔内マクロファージへのプラスミド取り込み効率上昇のためのシステムの検討【結果】マクロファージにGFP発現プラスミドを貧食させる際、カチオン化ゼラチン粒子(京都大学再生研田畑教授より供与)を用いることで、効率よくGFPタンパクの発現が認められた。HGFプラスミドの取り込みは、マクロファージのHGF染色や、マクロファージ培養上清中のHGFをELISAにより測定することで確認できた。〓HGF発現マクロファージの実験的腹膜硬化症への投与上記実験モデルに、HGF含有カチオン化ゼラチンを貧食させたマクロファージを尾静脈より投与し、腹膜硬化の程度を調べた【結果】HGF含有カチオン化ゼラチン貧食したマクロファージ投与群は、非投与群に比べ、腹膜肥厚の程度が抑制された。染色では、III型コラーゲン、TGF-βの発現が抑制されていたが、今後、その腹膜肥厚抑制機序をより詳細に解明し、HGFによるマクロファージ遺伝子改変システムの確立の検討を進めていく予定である。
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