研究課題/領域番号 |
18590900
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
安西 尚彦 杏林大学, 医学部, 講師 (70276054)
|
研究分担者 |
平田 拓 杏林大学, 医学部, 助手 (60372918)
金井 好克 杏林大学, 医学部, 教授 (60204533)
|
キーワード | プロスタグラジン / 腎臓 / シクロオキシゲナーゼ / アニオン / トランスポーター / COX-2 |
研究概要 |
プロスタグラジンは腎臓の種々の生理機能に重要な役割を果たしている。腎臓で最も多く産生されるプロスタグランジンはPGE2であり、これは細胞内の合成酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)により産生され、細胞外に出て、膜表面にあるレセプターに作用する。プロスタグランジン作用はCOX活性調節による産生量変化が決定する。プロスタグランジンは構造上カルボン酸を持っており、生理的pHではアニオンに分類されるためプロスタグランジンの細胞膜通過には膜トランスポーターが必要となる。最近我々はこのCOX-2発現部位に存在する、新規腎特異的プロスタグランジントランスポーターOAT-PGの同定に成功した。我々はOAT-PGがCOX-2により産生されたPGE2を尿細管中に排出し、管腔側のEP4に作用して同部位でのNa+輸送調節を行うという、腎尿細管管腔側プロスタグランジン・シグナル系の構成因子ではないか、という可能性を見出すに至った。本研究課題の初年度である平成18年度は、「OAT-PGによるプロスタグランジン輸送方向性の解明と特異的阻害物質の探索」を主たる目的として解析することを目指した。本研究課題では、アフリカツメガエル卵母細胞にOAT-PG cRNAのmicroinjectionを行い、その蛋白質を発現させた卵母細胞に、更に輸送を駆動すると考えられる対向基質をmicroinjectionしてRI標識PGE2の細胞内取込みを指標にOAT-PGの輸送活性を評価するわけであるが、本実験は高度であるため、まずは実験系の確立を試みた。そのために我々の研究グループで頻繁に用いられる典型的な有機酸トランスポーターOAT3を材料にシステムの確立を試み、OAT3におけるPGE2の駆動力が細胞内TCAサイクル中間代謝体であるαケトグルタル酸であることを明らかにした(Nilwarangkoon et al.,2007)。
|