研究課題
基盤研究(C)
最近我々はシクロオキシゲナーゼ(COX)2発現部位に存在する、新規腎特異的プロスタグランジントランスボーターOAT-PGの同定に成功した。我々はOAT-PGがCOX-2により産生されたPGE2を尿細管中に排出し、管腔側のEP4に作用して同部位でのNa^+輸送調節を行うという、腎尿細管管腔側プロスタグランジン・シグナル系の構成因子ではないか、という可能性を見出し、本研究課題の提案を行った。初年度(平成18年度)は、「OAT-PGによるPG輸送方向性の解明と特異的阻害物質の探索」を主たる目的として解析することを目指した。初めに実験系の確立を試み、まずは我々の研究グループで頻繁に用いられる典型的な有機酸トランスポーターであるOAT3を対象に、そのPGE2輸送の駆動力解析を行った。その結果細胞内TCAサイクル中間代謝体であるαケトグルタル酸であることを明らかにした(Nilwarangkoon et al.,2007)。本研究期間である平成19年度までの間には明らかにできなかったが、最近我々の研究協力者がOAT-PGの輸送駆動力は硫酸イオンであることを明らかにしている(未発表)。平成19年度に「OAT-PG,COX-2,EP4を束ね、ユニットとしての作用を可能にする細胞内因子の同定」を主たる目的として解析を行った。OAT-PGをベイトとした腎臓cDNAライブラリーに対する酵母Two-hybrid法によるスクリーニングを施行した。その結果、4つのPDZドメインを持つPDZタンパク質のCIPPの同定に成功した(未発表)。またCIPPの発現部位の解析のために、ウサギを用いて抗マウスCIPPポリクローナル抗体の作成を行い、2種の抗体を得ることに成功した。本年度の成果が今後のCIPPのOAT-PG輸送複合体の解明に役立つ事が期待される。
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