Promoterと、発現を目指すcDNAとの間にloxP siteではさまれたstop codonを配置したconstructを用いてtransgenic mouseを作成した。IκBΔNのconditional transgenic mouse (IκBΔNマウス)と、AQP7のpromoter支配下においてCre recombinaseを発現するマウスが作成された(AQP7-Creマウス)。AQP7は脂肪細胞、近位尿細管細胞、および精巣に発現する水チャネルであるが、今回作成したマウスを詳細に解析したところ、肝臓、神経系への弱いCre発現が認められており、IκBΔNマウスとの交配によるIκBΔN発現部位が当初の目的に沿ったものであるかを検証中である。 糖尿病自然発症マウスであり肥満を来たすob/obマウスとIκBΔNマウスを交配し、IκBΔN-ob/obマウスを作成する計画である。さらに、このマウスを疾患対照マウスとして、AQP7-Creマウス、内皮細胞特異的にCre recombinaseを発現するtie2-Creマウスと各々交配して、AQP7-Cre-IκBΔN-ob/obマウスとtie2-Cre-IκBΔN-ob/obマウスを作成する計画であり、現時点では、tie2-Cre-IκBΔNマウスが得られている。この系統のマウスは、出生率が低く、胎生期に内皮障害等を生じている可能性を現在検討中である。ある程度のマウス個体数が確保された時点でob/obマウスとの交配を開始する予定である。
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