研究課題/領域番号 |
18590914
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研究機関 | 神戸女子大学 |
研究代表者 |
竹中 優 神戸女子大学, 家政学部, 教授 (20222101)
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研究分担者 |
山田 一哉 松本大学, 人間健康学部, 教授 (20263238)
栗原 伸公 神戸女子大学, 家政学部, 教授 (10234569)
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キーワード | タンパク尿 / 急性腎不全 / 酸化ストレス / Glia maturation factor |
研究概要 |
脳特異的因子Glia maturation factr-β(GMF)は病態モデルにおいて腎近位尿細管に発現誘導される。我々はin vitroにおいてGMF発現により酸化ストレスに対し脆弱となり、アポトーシスが誘導されることを報告した(J.Biol.Chem.2003)。本年度はトランスジェニックマウス(GMF-TG)を用い虚血再潅流(IR)による影響を検討した。【方法】C57BL/6Jマウス(control)にGMF強制発現させたGMF-TGを作製した。IRモデルを右賢摘出、左腎16min血行遮断により作製した。IR24h後にcontrolとGMF-TGにおいて血清クレアチニンの測定、腎臓でのp21・PAI-1・CTGF mRNA発現量の定量、また組織障害の程度を検討した。 IR24h後におけるGMF-TG血清クレアチニン値は、controlに比し有意に低値を示した。control腎臓におけるmRNA発現量を1としてp21・PAH・CTGF mRNA発現量を検討した。controlにおいてはIR24h後に各mRNA発現量が有意に増加した。しかし、GMF-TG IR24h後の各mRNA発現量は、controlに比し有意に低値を示した。GMF-TG IR24h後において腎組織障害が軽度であった。in vivoにおけるGMF発現は、IRモデルにおいて腎障害を軽減する可能性が示された。In vitroの検討結果からGMF発現によりIRに対しても障害性を獲得する事が予想されたが、結果は驚くべき事に逆であった。急性期の腎障害と長期的なタンパク尿ストレスなどによる障害とはそのメカニズムに違いがある可能性が示唆された。
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