研究課題
基盤研究(C)
アンジオテンシンII(Ang II)1型(AT1)受容体拮抗薬(ARB)は、降圧のみならず臓器保護作用を持つ薬として注目されており、日本では5種類のARBが臨床応用され、現在、効果の違いについて様々な研究が進行中である。例えば、各ARBの降圧効果を比較した検討において、オルメサルタンの有効降圧率が有意に高かったとの報告がある。そこで、心血管疾患の治療にARBを使用する場合、種類による使い分けの必要性について検討した。まず、AT1受容体に対する活性遮断作用や逆活性作用(インバースアゴニズム)において、ARBであるオルメサルタンの構造上の特徴に注目しin vitro studyにおいて検討、考察を加えた。構造上の特徴として、オルメサルタンには、ほとんどのARBに共通したビフエニールテトラゾール基があり、バルサルタンやカンデサルタンと同様にカルボキシル基を持ち、さらに他にヒドロキシル基を有している。私たちは、人工変異AT1受容体に対するリガンドー受容体結合能試験とコンピューターモデリングの結果から、オルメサルタンのカルボキシル基とヒドロキシル基は、それぞれAT1受容体のLys^<199>とGln^<257>、Tyr^<113>とHis^<256>に2つの鎖のように強力に結合(2つのドメイン)していることを証明した。そして、イノシトールリン酸産生能に対して持続的に活性を有する人工変異AT1受容体を使用し、このドメインがインバースアゴニズムの作用発揮に非常に重要で有ることを証明し、臨床における降圧効果の違いに表れているのではないかと推測している。
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