研究課題
基盤研究(C)
近位尿細管におけるメガリン依存性エンドサイトーシスとリン酸再吸収調節ホルモンであるFGF23の作用との関連について検討を試みた。メガリンのリガンドの一つで、他のすべてのリガンドの結合を阻害するreceptor associated protein (RAP)の可溶型分子のヒスチジンタグ融合蛋白質を恒常的に発現するCHO細胞を樹立し(CHO-His-RAP)、ヌードマウスに移植することにより、メガリン機能撹乱モデルを作製した。また、FGF23の機能獲得型変異体であるFGF23[R179Q]を恒常的に発現するCHO細胞(CHO-FGF23[R179Q])も合わせて樹立した。CHO-His-RAPをヌードマウスの背側皮下に移植することにより、形成された腫瘤から血中にHis-RAPが分泌されることを確認した。また、CHO-FGF23[R179Q]をヌードマウスの皮下に移植し腫瘤を形成させることにより、血中FGF23レベルの上昇、低リン血症を呈することを確認した。ヌードマウスにCHO-FGF23[R179Q]およびCHO-His-RAPあるいはCHO親株を移植し、経時的に採血し、血清リン値を測定したところ、CHO-FGF23[R179Q]とCHO-His-RAPを移植した群で、CHO-FGF23[R179Q]とCHO親株を移植した群と比較して、移植後2週目の血清リン値がより低い傾向を認めた。また、血中FGF23値は、CHO-FGF23[R179Q]とCHO-His-RAPを移植した群でCHO-FGF23[R179Q]とCHO親株を移植した群よりも低い値を示した。以上より、メガリン機能の異常に伴う過りン酸尿、低リン血症においては、種々の遺伝性低リン血症の場合とは異なり、血中FGF23値は上昇していないことが示唆された。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (4件)
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