研究概要 |
現在までに以下のように実験を進めた。1)gliomaのcell lineからcDNAライブラリーを作成した。2)cDNAをpBluescriptに組み込み,組み替え後,発現した蛋白と患者血清を反応させ,陽性のクローンを単離する。3)シークエンスにより配列を確認。4)発現蛋白を抽出後,ELISA法を施行。以上の実験により数個のクローンを単離した。ただし,ELISA法で正常血清と患者血清間で有意差を得ることはできなかった。 このためさらに,すでに入手済みのSchwannoma cellのcell lineからcDNAライブラリーを作成し,保存した患者血清を反応させ新規自己抗原を探った。(この実験は研究代表者の森雅裕および研究分担者の日和佐隆樹が行った。1)すでに入手済みのschwannoma cellのcell lineからcDNAライブラリーを作成した。2)このcDNAライブラリーと保存してある多発性硬化症、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー及び両者の合併症例の血清・髄液を反応させ,抗原抗体反応により,疾患特異的な抗原蛋白をSEREX法にて探し出した。3)Schwannnoma cellから得られたcDNAライブラリーをファージに組み込んだものを大腸菌に感染させ,IPTG誘導することにより,cDNA由来の蛋白が発現させる。その蛋白をメンブレンに吸着させ,患者の血清・髄液と抗原抗体反応を起こさせ,陽性のプラークのみピックアップし単離した上で,そのファージのDNAをシークエンスし,遺伝子配列を決定した。現在,103のクローンを得,ホモロジー解析中である。
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