研究課題/領域番号 |
18590928
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
寺尾 安生 東京大学, 医学部・附属病院, 助教 (20343139)
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研究分担者 |
宇川 義一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50168671)
花島 律子 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80396738)
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キーワード | 深部電極治療 / 眼球運動 / Parkinson病 / L-DOPA |
研究概要 |
近年各種の薬物治療のみならず深部電極刺激(deep brain stimulation, DBS)により、Parkinson病をはじめとする神経疾患の治療が広く行われるようになってきている。しかし臨床効果を客観的かつ総合的に評価する手法はいまだに確立されていない。本研究では、我々がこれまで開発してきた様々な生理学的手法を応用することにより、DBSの効果を客観的かつ総合的に判定する方法を確立することを目標とした。本年は、パーキンソン病で治療としてしばしば用いられるL-DOPA製剤による眼球運動のパラメーターの変化を調べ、これをDBSによる眼球運動のパラメーターの変化と比較した。これまで薬剤治療を受けたことのないPD患者においてL-DOPA製剤投与前後での検討をおこなった。L-DOPA製剤を内服する前及び内服30分、60分、120分後の各種眼球運動課題の遂行能力(潜時、振幅、速度、課題の正答率など)を比較した。眼球運動課題としてはvisually guided saccade(VGS)、 gap saccade(GAP)、 memory guided saccade(MGS)、 antisaccade(AS)の四つの課題を行なった。その結果、L-DOPA投与により、VGS、GAPなどの反射的な眼球運動の潜時は延長するのに対し、MGS、ASのような随意的眼球運動の潜時は短縮した。これらの結果はDBSがすべての眼球運動の潜時を短縮させたのと異なっていた。またこれらの結果は、反射的・随意的眼球運動の生理学的な機序の相違を示すとともに、DBS/L-DOPA投与が双方の眼球運動に異なる影響を与えることを示すものである。これらの結果は基底核の働きについての示唆を与えるとともに、パーキンソン病の治療戦略にも役立つ知見となると思われる。
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